メーカーから提供されるiPhone12の純正バッテリーはiPhone12Proと共通でした。仕入れる側としては在庫を抱えなくて済むのでいいですね。
iPhone12を起動するとリンゴのマークが点灯して消えてしまうという持ち込みでした。様子をみると、1~2秒点灯してから消える現象でした。この現象は、バッテリーの故障で起こることが多いです。
在庫が無かったためお客様と相談し、バッテリーは純正品にするか社外品にするかを相談しました。
社外品のデメリットとしては、設定メニューのバッテリーの項目で
・「不明な部品」
・「このiphoneで正規のapple製バッテリーが使用されていることを確認できません」
などのメッセージが恒久的に残る点と
・最大容量が表示されない
という現象が起こります。最近の社外バッテリーはいろいろな意味で長持ちしなくなっている点もあります。
表示がおかしくなるのは抵抗があるということで純正品を選びました。正規ルートのバッテリーは膨張やシワなどがあると請求金額が変わるため状況確認を立ち会ってもらいました。
画面を開けてみます
写真のiPhoneはXSのものですが、こういう工具を用います。
アップル社には、フレームを加熱して開ける装置があるのですが、高価なため当店ではまだ用意していません。
慎重に外さないと、画面のガラスと下にある金属が剥がれるので無理せずに開けていきます。開かないときは、横からリワークステーションの熱風をあてて、ヘラが刺さる隙間ができるまで慎重に開けていきます。
※ガラスが割れたまま「バッテリーだけお願いします」という方がいますが、これは難しいのではと思います。
画面がようやく開き、バッテリーの様子を見ます。
しわが確認できました。
この段階で、Apple社からの請求金額が変わることがあるため、お客様と相談します。
このままGoサインが出ましたので、注文をしました。
バッテリーの裏側のテープの様子を知りたいので確認します
写真では、基板側ではなく外側に長いテープがあることがわかりました。
iPhone12のバッテリー交換キットです
・純正バッテリー
・フレームと画面を貼り合わせる両面テープ
・スピーカーとフレームの間のゴム
・滑り止めが塗られてあるねじ
準備が整ったので交換です。
ある意味時間のかかる作業
画面とフレームを着けている両面テープを取り除く作業です。
純正品を取り付けるときにはメーカーより定められています。
iPhone12の純正の両面テープは、ご利用環境もあるのかもしれませんが、従来品よりも伸縮性がなく取り外しにくかったです。30分かかりました。
画面を外すときは、従来品と比較し粘着力が強くテープそのものは伸縮性がなくもろい印象です。
純正バッテリーをつけていても、アクティベーションをしなければ社外バッテリーと同じ扱いになってしまいます。
ネットで販売されている純正といわれるバッテリーも同じようになります。
シリアル番号はメーカーで管理されているので、中古バッテリーをアクティベーションしてもエラーが返ってくるだけだと思います。
アクティベーションを行った後です
エラーメッセージはすべて削除され、消えていた最大容量が表示されました。
この後、メーカー指定の検査をして問題が無ければ引き渡しになります。
はじめてiPhone12のバッテリー交換をしました。
苦労した点は、画面を外すときと画面とフレームの両面テープをはがす作業です。
街の修理屋さんでは、修理する人の性格がとても出るので慎重ではない性格の人や不器用な人はトラブルが増えるのかなと思いました。
修理マニュアルを読んでいると、iPhone12からは複雑になってきています。今後のiPhone修理事情は自己流ではなくメーカーの技術がとても大切になってくる印象があります。
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